雷獣

土曜日に雷がなったことを、何故か突然思い出しました。
芋蔓式に思い出したのが高村光太郎の「雷獣」という詩。

 焔硝のくさいのはいい。
空気をつんざく雷の太鼓にこをどりして
天から落ちてそこら中をかけずりまはり
きりきりと旗竿をかきむしつて
いち早く黒雲に身を隠すのはいい
雷獣は何処に居る
雷獣は天に居る 風の生まれる処に居る

まだ後に続くんですが、この部分がとても好きで雷というとこれを思い出します。
詩が好きなわけでは無いのですが、高村光太郎に関してだけは別で、文庫になっていたベスト版のような物を買いました。
あと好きなのが「孤独が何で珍しい」という詩。

孤独の痛さにたえきった人間同士の
だまって差し出す丈夫な手と手のつながりだ
孤独のかなしきに耐えきれない人間同士の
がやがや集まる烏合の勢に縁はない
孤独が何で珍しい

漢字とか句読点とか適当です。間違っている可能性が高いです(笑)こんな感じの内容…と考えていただけると助かります。
結構強く鋭い印象を受ける詩なんですが、高校の頃読んで不思議とホッとしたのを覚えています。
たぶん一生忘れないなぁと思う作家さんです。